昨日のアドレスに恐々返事を出した。
連絡はとらないっていう私達の間の約束を破ってる気がして
正直どきどきした。
結果は、彼からメールが返ってきた。
どうも、彼はひとりでお留守番みたいだった。
緊張して、何かいたか思い出したくもないんだけど
それでも彼から返事がくるのが嬉しかった。
些細なことで幸せなんだから、世話はないよね。
連絡はとらないっていう私達の間の約束を破ってる気がして
正直どきどきした。
結果は、彼からメールが返ってきた。
どうも、彼はひとりでお留守番みたいだった。
緊張して、何かいたか思い出したくもないんだけど
それでも彼から返事がくるのが嬉しかった。
些細なことで幸せなんだから、世話はないよね。
朝。彼から電話があった。
会社に来たよって。
もし、彼が会社に出たらあおうって、昨日約束した。
だから、彼の仕事が終わるのを私は待ってた。
夕方。仕事がなかなか終わらなかったらしく、
予定より遅くなってから彼から電話があった。
電話を受けてから急いで待ち合わせ場所へ。
家から待ち合わせ場所まで約30分。気ばかり急く。
ついたら、彼がこっちを見て笑ってた。
”遅い!待ったよ”
ごめんね、忙しいあなたを待たせて。
”よく、会いにこようって思うよね”
ここまでの間に電車の乗換えが2回。
それでも、あなたに会いたかった。
来週からいないあなたの顔を、見ておきたかった。
彼が旅行行く前におうちの人から頼まれたお土産の話を聞いた。
春にいっしょに出張したときがそうだったから、
今回もてっきりブランド物の化粧品か小物かと思ってたら
今回は普通に生活用品が多かった。
”妻は、向こうに住みたがってた”
そう言っていた彼の言葉がふと思い出される。
彼だって、帰国したかったわけじゃないのに。
家に帰ったら、メールが来てた。
ここにいるからって、メールアドレスに書いてあった。
うーん…メルアドに負けた。
会社に来たよって。
もし、彼が会社に出たらあおうって、昨日約束した。
だから、彼の仕事が終わるのを私は待ってた。
夕方。仕事がなかなか終わらなかったらしく、
予定より遅くなってから彼から電話があった。
電話を受けてから急いで待ち合わせ場所へ。
家から待ち合わせ場所まで約30分。気ばかり急く。
ついたら、彼がこっちを見て笑ってた。
”遅い!待ったよ”
ごめんね、忙しいあなたを待たせて。
”よく、会いにこようって思うよね”
ここまでの間に電車の乗換えが2回。
それでも、あなたに会いたかった。
来週からいないあなたの顔を、見ておきたかった。
彼が旅行行く前におうちの人から頼まれたお土産の話を聞いた。
春にいっしょに出張したときがそうだったから、
今回もてっきりブランド物の化粧品か小物かと思ってたら
今回は普通に生活用品が多かった。
”妻は、向こうに住みたがってた”
そう言っていた彼の言葉がふと思い出される。
彼だって、帰国したかったわけじゃないのに。
家に帰ったら、メールが来てた。
ここにいるからって、メールアドレスに書いてあった。
うーん…メルアドに負けた。
今週最後。
彼が私に目配せして、早めに会社を出た。
みんな、まだ働いてる。ごめん。
川原を歩きながら、彼と話した。
水曜日に行った場所に行こうとしたら
釣りのおじさんがたくさんいて座れなかったから
違う場所へ。
来週は彼は海外出張。
出張中、HPも毎日見るし、
メール書くよって彼は言った。
意外なその言葉が嬉しかった。
いままで、彼から連絡がくるなんてこと、なかったから。
未だに、凄く近くにいて、見つめあいながらも、
思うようにキスできない。
私からはしづらいし、彼もこっちをじっと見るけど、
なかなかキスはしてくれない。
キスできるのは、帰る時間が近くなってから。
手をとって、額をつけて、顔を寄せて、
話しかけるついでのように彼の唇が私の唇に触れる。
唇が触れるだけじゃ足りなくて、彼の身体に腕を回して抱き締める。
彼は、私の身体には手を触れない。
”もし、俺が責任取れるようになったら、その足で抱きにいくよ”
抱いて欲しいのに。
変な意味じゃなくて、あなたの腕に抱かれたいだけ。
首筋にキスしたら、彼が小さく声をあげた。
可愛い。もっと苛めたい。
彼が私に目配せして、早めに会社を出た。
みんな、まだ働いてる。ごめん。
川原を歩きながら、彼と話した。
水曜日に行った場所に行こうとしたら
釣りのおじさんがたくさんいて座れなかったから
違う場所へ。
来週は彼は海外出張。
出張中、HPも毎日見るし、
メール書くよって彼は言った。
意外なその言葉が嬉しかった。
いままで、彼から連絡がくるなんてこと、なかったから。
未だに、凄く近くにいて、見つめあいながらも、
思うようにキスできない。
私からはしづらいし、彼もこっちをじっと見るけど、
なかなかキスはしてくれない。
キスできるのは、帰る時間が近くなってから。
手をとって、額をつけて、顔を寄せて、
話しかけるついでのように彼の唇が私の唇に触れる。
唇が触れるだけじゃ足りなくて、彼の身体に腕を回して抱き締める。
彼は、私の身体には手を触れない。
”もし、俺が責任取れるようになったら、その足で抱きにいくよ”
抱いて欲しいのに。
変な意味じゃなくて、あなたの腕に抱かれたいだけ。
首筋にキスしたら、彼が小さく声をあげた。
可愛い。もっと苛めたい。
彼と一緒に研修に行った。
予定では、研修が定時に終わったあとデートだったんだけど
彼に仕事が入ってしまったからそれはなくなった。
そのかわり、と言っては何だけど
朝早くに研修のある街に行って、
喫茶店でくつろいだ。
2時間。あまり話をしたわけではないけれど
隣を見ると、彼がこっちを見ていたりして。
普段の彼は次から次へといろんなことを話すのに
今日はずっと黙って座ってる。
普段から多忙な彼のことだ。
黙ってるからって何も考えてないなんてことは
考えにくい。
”何を考えてるの?”
黙っている彼も嫌いじゃないけど、
彼と同じことを考えたくて、訊いた。
公私共に、いいパートナーになるには
どうすればいいのか考えてた、って彼は言った。
結婚だけじゃなくて、
ふたりで何か創っていけたらいいな。
いつか、ふたりで会社を作るとかね。
夢、だよね。男の人の。
子供みたいだけど、かなえばいいなと思う。
彼は、夢みたいな話、よくする。
今の仕事でだって、そう。
でも、過去に彼の語った夢が叶ったのを
彼のそばで働く私達は知ってる。
今だって、実現するんだかどうだか
私にはわからない夢を彼は実現させようとしてる。
期待にこたえられれば良いけれど、
自分の頼りなさに不安になる。
いつまで、あなたについていけるだろう。
今日は、1日彼が横について私の作業を見てた。
彼にも彼用の作業環境があったんだけど、
最初、遅れてきたほかの会社の人に
研修のテキストを貸してあげてたから
彼は私のテキストを見てた。
ただ、午後になって、テキストが来た後も
彼は私の横で私の作業を見ていた。
緊張するんですけど。一応、上司だし。
帰りは研修がのびたので、用事がある彼は
先に帰っていった。
帰りがけに彼が”このあとどうするの?”って聞いたから
私も会社に戻ることにした。
ご飯食べて、結構時間かけて会社に戻ったけど
彼は忙しくて、帰りは
結局まっすぐいっしょに帰っただけだった。
明日で、1週間終わり。来週は、あなたはいない。
だから、いっしょにいたかった。
予定では、研修が定時に終わったあとデートだったんだけど
彼に仕事が入ってしまったからそれはなくなった。
そのかわり、と言っては何だけど
朝早くに研修のある街に行って、
喫茶店でくつろいだ。
2時間。あまり話をしたわけではないけれど
隣を見ると、彼がこっちを見ていたりして。
普段の彼は次から次へといろんなことを話すのに
今日はずっと黙って座ってる。
普段から多忙な彼のことだ。
黙ってるからって何も考えてないなんてことは
考えにくい。
”何を考えてるの?”
黙っている彼も嫌いじゃないけど、
彼と同じことを考えたくて、訊いた。
公私共に、いいパートナーになるには
どうすればいいのか考えてた、って彼は言った。
結婚だけじゃなくて、
ふたりで何か創っていけたらいいな。
いつか、ふたりで会社を作るとかね。
夢、だよね。男の人の。
子供みたいだけど、かなえばいいなと思う。
彼は、夢みたいな話、よくする。
今の仕事でだって、そう。
でも、過去に彼の語った夢が叶ったのを
彼のそばで働く私達は知ってる。
今だって、実現するんだかどうだか
私にはわからない夢を彼は実現させようとしてる。
期待にこたえられれば良いけれど、
自分の頼りなさに不安になる。
いつまで、あなたについていけるだろう。
今日は、1日彼が横について私の作業を見てた。
彼にも彼用の作業環境があったんだけど、
最初、遅れてきたほかの会社の人に
研修のテキストを貸してあげてたから
彼は私のテキストを見てた。
ただ、午後になって、テキストが来た後も
彼は私の横で私の作業を見ていた。
緊張するんですけど。一応、上司だし。
帰りは研修がのびたので、用事がある彼は
先に帰っていった。
帰りがけに彼が”このあとどうするの?”って聞いたから
私も会社に戻ることにした。
ご飯食べて、結構時間かけて会社に戻ったけど
彼は忙しくて、帰りは
結局まっすぐいっしょに帰っただけだった。
明日で、1週間終わり。来週は、あなたはいない。
だから、いっしょにいたかった。
昼過ぎ。彼のデスクで”定時後会議”なんていう言葉が聞こえた。
今日は、早く帰れる予定だったのに。
明日も、定時後に会議。明日は、デートの約束だったのに。
しかたないんだけど、残念だったよ。
夕方、少しがっかりして仕事をしてた私を
彼が休憩に呼んだ。
”今日、予定あったの?”
あなたと会う予定だけよ。そんなの。
”会議終わってから行くから、こないだの場所で待ってて”
指示されたのは、図書館。
言われたとおりに、図書館で待った。
1時間過ぎて、2時間過ぎた。連絡はない。
図書館も閉館になって、周りにはなにもなくて
行くところがなくなってしまった。
先、帰ったかな。
それでも、帰る用意なんて出来るわけもなくて
駅のベンチで持ってきた本を読んでた。
それも読み終わろうかって頃、ようやく彼から電話。
会議が延びてるって。
時間どおりはじまったわけじゃなかったしね。
でも、手持ちの本の残りページも少ないから
早くきて欲しい…
それからしばらくして、また電話。
”ごめん。まだ大丈夫?”
大丈夫。だから遅くなるから帰っていいよ、なんて言わないで。
”いまから行くから”
ありがとう。
彼と、川縁を歩いた。
河原に座って、話した。
黙って、座ってる時間が長いけど、
穏やかな彼の表情と人懐っこい笑顔を見てると
それでもいいのかな、なんて思ってしまう。
見つめ合うだけで楽しいのは最初だけと知りながら
それでも彼から目を離せない。
今日は、早く帰れる予定だったのに。
明日も、定時後に会議。明日は、デートの約束だったのに。
しかたないんだけど、残念だったよ。
夕方、少しがっかりして仕事をしてた私を
彼が休憩に呼んだ。
”今日、予定あったの?”
あなたと会う予定だけよ。そんなの。
”会議終わってから行くから、こないだの場所で待ってて”
指示されたのは、図書館。
言われたとおりに、図書館で待った。
1時間過ぎて、2時間過ぎた。連絡はない。
図書館も閉館になって、周りにはなにもなくて
行くところがなくなってしまった。
先、帰ったかな。
それでも、帰る用意なんて出来るわけもなくて
駅のベンチで持ってきた本を読んでた。
それも読み終わろうかって頃、ようやく彼から電話。
会議が延びてるって。
時間どおりはじまったわけじゃなかったしね。
でも、手持ちの本の残りページも少ないから
早くきて欲しい…
それからしばらくして、また電話。
”ごめん。まだ大丈夫?”
大丈夫。だから遅くなるから帰っていいよ、なんて言わないで。
”いまから行くから”
ありがとう。
彼と、川縁を歩いた。
河原に座って、話した。
黙って、座ってる時間が長いけど、
穏やかな彼の表情と人懐っこい笑顔を見てると
それでもいいのかな、なんて思ってしまう。
見つめ合うだけで楽しいのは最初だけと知りながら
それでも彼から目を離せない。
休み疲れが、まだとれてない。
彼がいるのに、会議でお昼寝してしまった。
気がついたら、彼から丸見え。あー…
彼、仕事がまだたまってるみたいで、
今日は帰るのが遅かった。
昨日みたいに、長くいっしょにいるのに慣れちゃうと
仕事がほんとに遅いときが辛くなってきちゃうよ。
彼がいるのに、会議でお昼寝してしまった。
気がついたら、彼から丸見え。あー…
彼、仕事がまだたまってるみたいで、
今日は帰るのが遅かった。
昨日みたいに、長くいっしょにいるのに慣れちゃうと
仕事がほんとに遅いときが辛くなってきちゃうよ。
朝。電話の音で目が醒めた。
携帯にかけてくる人なんて、ひとりしかいない。
彼氏は朝は家の電話にかけてくるんだから。
電話を取った瞬間に電話は切れた。
発信元は、彼の仕事用の携帯。
次いで、家の電話が鳴った。あわてて取る。
”おはようございます”
折り目正しい彼の声。
起きたことを伝えて、ありがとうって言って、電話を切った。
程なく、また電話が鳴った。
彼氏だった。ちゃんと、起こしてくれるんだね。
こちらにも起きた旨を伝えて電話を切る。
あーあ、ふたりともに読まれてるなぁ。
今日の帰りは、彼と一緒に帰った。
少し早めに会社を出て、ロビーで待ち合わせて。
外で座って話してたから、半袖を着てた彼は
たくさん蚊に刺されてた。
”今朝、電話するかどうか迷ったんだけどね。
もう、気が変わっちゃったかと思って”
そんな弱気なこと、あなたが言うとは思ってなかった。
変わらず、好きなのに。あいたかったのに。
1週間、あまり出かけなかったみたいだった。
毎日、仕事だったみたいだし。
子供さんと何度か出かけて、みんなで食事に行って…って。
あとは、奥さんとまたケンカしちゃったよ、なんて。
”一緒にいると、落ち着くよ”
それが、永続するものだといいんだけど。
来週は、彼は海外だそうだ。
今度は、私がお留守番。
奥さんがいないところでのんびりして帰ってきた彼は、
それでも変わらないでいてくれるだろうか。
携帯にかけてくる人なんて、ひとりしかいない。
彼氏は朝は家の電話にかけてくるんだから。
電話を取った瞬間に電話は切れた。
発信元は、彼の仕事用の携帯。
次いで、家の電話が鳴った。あわてて取る。
”おはようございます”
折り目正しい彼の声。
起きたことを伝えて、ありがとうって言って、電話を切った。
程なく、また電話が鳴った。
彼氏だった。ちゃんと、起こしてくれるんだね。
こちらにも起きた旨を伝えて電話を切る。
あーあ、ふたりともに読まれてるなぁ。
今日の帰りは、彼と一緒に帰った。
少し早めに会社を出て、ロビーで待ち合わせて。
外で座って話してたから、半袖を着てた彼は
たくさん蚊に刺されてた。
”今朝、電話するかどうか迷ったんだけどね。
もう、気が変わっちゃったかと思って”
そんな弱気なこと、あなたが言うとは思ってなかった。
変わらず、好きなのに。あいたかったのに。
1週間、あまり出かけなかったみたいだった。
毎日、仕事だったみたいだし。
子供さんと何度か出かけて、みんなで食事に行って…って。
あとは、奥さんとまたケンカしちゃったよ、なんて。
”一緒にいると、落ち着くよ”
それが、永続するものだといいんだけど。
来週は、彼は海外だそうだ。
今度は、私がお留守番。
奥さんがいないところでのんびりして帰ってきた彼は、
それでも変わらないでいてくれるだろうか。
帰り道、彼から電話とメールが入ってた。
帰りの時間は、HPに書いたから知ってるはず。
急いで留守電を聞いたら、連絡をくれって内容だった。
メールも同じ。
ただ、メールから察するに仕事の話。
残り少ない休みを満喫したいのに、仕事持ってこないで…
彼じゃなかったら、休み中だよ、なんて
イヤミのひとつも言ってやりたい気分。
彼に聞かれたことがよくわからなかったから、
わからないって返事した。
初めて、彼の携帯にメールアドレスがあることを知った。
いつもの、彼の名前だ。
何通か、仕事関係の話をやり取りした。
”4時半までなら、メール返せるから”
そんなこと、書かれたら、返事書かざるを得ないじゃない。
1週間しか離れていなかったのに、
もうずいぶん経った気がする。
場所が違うと、時間の流れまで変わってしまう気がするよ。
同じ場所にいる彼のほうは、そうでもないのかもしれないけれど。
帰りの時間は、HPに書いたから知ってるはず。
急いで留守電を聞いたら、連絡をくれって内容だった。
メールも同じ。
ただ、メールから察するに仕事の話。
残り少ない休みを満喫したいのに、仕事持ってこないで…
彼じゃなかったら、休み中だよ、なんて
イヤミのひとつも言ってやりたい気分。
彼に聞かれたことがよくわからなかったから、
わからないって返事した。
初めて、彼の携帯にメールアドレスがあることを知った。
いつもの、彼の名前だ。
何通か、仕事関係の話をやり取りした。
”4時半までなら、メール返せるから”
そんなこと、書かれたら、返事書かざるを得ないじゃない。
1週間しか離れていなかったのに、
もうずいぶん経った気がする。
場所が違うと、時間の流れまで変わってしまう気がするよ。
同じ場所にいる彼のほうは、そうでもないのかもしれないけれど。
彼氏いるなら早めに結婚したほうがいいよ、なんてことを
まわりのオトナに言われたんだけど…
彼氏と、結婚して、彼と今の関係を続けるってところに
まだ今は納得できないよ。
続けない覚悟は今はまだないし、
彼と結婚するってことは、あと2,3年じゃありえないだろうし
多分みんな反対するだろうな。
堂々と付き合いたいとは思うけど、
結婚して世話できるってわけでは決してないし。
心から愛せる人と結婚するって、難しいね。
まわりのオトナに言われたんだけど…
彼氏と、結婚して、彼と今の関係を続けるってところに
まだ今は納得できないよ。
続けない覚悟は今はまだないし、
彼と結婚するってことは、あと2,3年じゃありえないだろうし
多分みんな反対するだろうな。
堂々と付き合いたいとは思うけど、
結婚して世話できるってわけでは決してないし。
心から愛せる人と結婚するって、難しいね。
彼から朝、携帯に電話があった。
急いでおきて、取った瞬間に電池切れ。
…ばか。なんで充電しておかないのよ、私。
さっそく充電器を持ってきてコンセントにつないで
しばらく待っていたら留守電の通知がきた。
原稿を読むかのようによく通る声で記録された内容は、
純粋に仕事の話。
期待した分、少しがっかりしたので、
しばらく放っておくことにした。
昼前になって、返事をしに彼の携帯に電話をしたんだけど、
仕事でかかってきた電話にプライベートな話を
もちこむのもなんか気が引けたので
用件だけ言ってさっさと切った。
彼も特に何も言わなかった。
あっさり電話を切ってしばらく考えた。
彼、それだけのために電話かけてきたのかな。
なんか朝から拍子抜けの連続だったし、
諦めて違うことしようって考えてたら、改めて電話が鳴った。
公衆電話。彼だ。
”元気してた?どうしてる?”
今度は、思い切りプライベートモード。
ひさしぶりに会った友達に語りかけるような柔らかい声。
幸せそうに笑う彼が目に浮かぶ。
1分半。
電話代がなくなるまで、喋った。
彼は毎日お仕事してるって。
”毎日、見てるから”
…HPは、見に来てくれてるらしい。
彼が見に来てくれてることは嫌ってほど知ってるんだけど、
そんなこと改めていわれたら、何書いていいかわかんないじゃない。
毎日、何かしら写真を撮って、HPの壁紙にしてる。
最初は私の写真だったけど、ナルシストっぽさが嫌で止めた。
一方通行は悔しい。私は彼の顔、見れないんだし。
彼氏からもメールが入ってた。
親御さんに、とうとう私のことを喋ったらしい。
”喜んでたよ”なんて言われたけど…
別れなきゃならないかな、なんて思うようになった今になって、
そんな風に言われても、困る。
今まで2年もあった。もう、待ちくたびれたんだよ。
急いでおきて、取った瞬間に電池切れ。
…ばか。なんで充電しておかないのよ、私。
さっそく充電器を持ってきてコンセントにつないで
しばらく待っていたら留守電の通知がきた。
原稿を読むかのようによく通る声で記録された内容は、
純粋に仕事の話。
期待した分、少しがっかりしたので、
しばらく放っておくことにした。
昼前になって、返事をしに彼の携帯に電話をしたんだけど、
仕事でかかってきた電話にプライベートな話を
もちこむのもなんか気が引けたので
用件だけ言ってさっさと切った。
彼も特に何も言わなかった。
あっさり電話を切ってしばらく考えた。
彼、それだけのために電話かけてきたのかな。
なんか朝から拍子抜けの連続だったし、
諦めて違うことしようって考えてたら、改めて電話が鳴った。
公衆電話。彼だ。
”元気してた?どうしてる?”
今度は、思い切りプライベートモード。
ひさしぶりに会った友達に語りかけるような柔らかい声。
幸せそうに笑う彼が目に浮かぶ。
1分半。
電話代がなくなるまで、喋った。
彼は毎日お仕事してるって。
”毎日、見てるから”
…HPは、見に来てくれてるらしい。
彼が見に来てくれてることは嫌ってほど知ってるんだけど、
そんなこと改めていわれたら、何書いていいかわかんないじゃない。
毎日、何かしら写真を撮って、HPの壁紙にしてる。
最初は私の写真だったけど、ナルシストっぽさが嫌で止めた。
一方通行は悔しい。私は彼の顔、見れないんだし。
彼氏からもメールが入ってた。
親御さんに、とうとう私のことを喋ったらしい。
”喜んでたよ”なんて言われたけど…
別れなきゃならないかな、なんて思うようになった今になって、
そんな風に言われても、困る。
今まで2年もあった。もう、待ちくたびれたんだよ。
”連絡したくなったら、メールするよ”
彼がそう言ってから、もう何日たった?
東京では、変わらない日常が続いているんだろうか。
母と話した。
彼女の職場にいる離婚した男の人の話を聞いたんだけど、
時間にルーズで奥さんにも冷たかったって言ってた。
いまどき自分のことも自分で出来ない男と付き合っても
長続きしないわよ、なんて言われて、困ってしまった。
もし、彼と付き合ってさ、そんな心配ないと思うけど、
彼と結婚するなんて言ったら
”離婚した男はダメ”なんて言われるのかな。
彼、家事はダメだし、女の子にはもてるしなぁ。
考えるまでもなく、表に出せる関係になるには障害だらけ。
どうなるんだろうなぁ。
彼がそう言ってから、もう何日たった?
東京では、変わらない日常が続いているんだろうか。
母と話した。
彼女の職場にいる離婚した男の人の話を聞いたんだけど、
時間にルーズで奥さんにも冷たかったって言ってた。
いまどき自分のことも自分で出来ない男と付き合っても
長続きしないわよ、なんて言われて、困ってしまった。
もし、彼と付き合ってさ、そんな心配ないと思うけど、
彼と結婚するなんて言ったら
”離婚した男はダメ”なんて言われるのかな。
彼、家事はダメだし、女の子にはもてるしなぁ。
考えるまでもなく、表に出せる関係になるには障害だらけ。
どうなるんだろうなぁ。
”お土産買ったよ”
旅行中の彼氏からメールがきた。
なんか、その心遣いが私にはもったいない気がして
少し心が痛んだ。
悪者は、私。でも、今はまだ止まれない。
旅行中の彼氏からメールがきた。
なんか、その心遣いが私にはもったいない気がして
少し心が痛んだ。
悪者は、私。でも、今はまだ止まれない。
昔付き合ってたヒトと学校の仲間とで飲んだ後、
近くの公園に車で連れて行ってもらった。
その人は、もうすぐ渡米する予定。
昔の彼と、同じだな。
優しい人だったし、
今でも私のこと心配してくれてる。
何でも話せる。
酷いことしたから、キツいことも言われたこともあるけど、
それでもいっしょにいてくれることに感謝してる。
私の一方的なワガママなのに。
彼はよく、何でも話せるようになりたいって私に言うけど
彼に話せないことって、やっぱりあると思う。
見栄とか、羞恥心とか、あるもん。まだ。
私ばかり曝け出して、彼は謎のままで
そんなの、フェアじゃないよ。
聞けば教えてくれるって言うけど、
彼を裸にしてしまえるほど、私は器用じゃない。
近くの公園に車で連れて行ってもらった。
その人は、もうすぐ渡米する予定。
昔の彼と、同じだな。
優しい人だったし、
今でも私のこと心配してくれてる。
何でも話せる。
酷いことしたから、キツいことも言われたこともあるけど、
それでもいっしょにいてくれることに感謝してる。
私の一方的なワガママなのに。
彼はよく、何でも話せるようになりたいって私に言うけど
彼に話せないことって、やっぱりあると思う。
見栄とか、羞恥心とか、あるもん。まだ。
私ばかり曝け出して、彼は謎のままで
そんなの、フェアじゃないよ。
聞けば教えてくれるって言うけど、
彼を裸にしてしまえるほど、私は器用じゃない。
昨日、彼が”写真貼っておいてくれてもいいよ”なんて言ったから
HPに悪戯で写真を載せてみた。
あまり露骨にスナップ写真載せるのも不自然だから
適当に撮った写真をHPの壁紙にしてみた。
夜だったから風景を撮りに行くわけにもいかなかったし。
自分ひとりで写ってるせいもあって
なんか不機嫌げだったけれど、仕方ない。
あんまりひとりでニヤニヤしながら撮るのも
病的だし。
彼、呆れてるかな?
HPに悪戯で写真を載せてみた。
あまり露骨にスナップ写真載せるのも不自然だから
適当に撮った写真をHPの壁紙にしてみた。
夜だったから風景を撮りに行くわけにもいかなかったし。
自分ひとりで写ってるせいもあって
なんか不機嫌げだったけれど、仕方ない。
あんまりひとりでニヤニヤしながら撮るのも
病的だし。
彼、呆れてるかな?
朝。寝坊してぼーっとしてるところに電話が鳴った。
慌ててベッドから降りる。番号は…公衆電話。
この時代に公衆電話から、
こんな時間に電話してくるのは
彼しかいない。
慌てて電話をとったところで、電話は切れた。
がっかりして電話を眺めてたら、留守電が入ってた。
よく聞こえなくて、耳を押し当てる。3〜4回、聞きなおした。
”もしもし…”
彼の声だ。会社にいるけど、連絡つかなかったからまたねって。
連絡、する手段なんてない。
電話もメールも、お互いしないことになってるから。
例外は、彼が休日に会社に出たときの電話。
だから、迷った。
でも、会社なら、いいかな。
会社のメールアドレスに、起きたよってことだけ送った。
期待半分、諦め半分で朝食の用意してたら
しばらくしてから、彼から連絡があった。
お昼に会おうって。
一昨日の一件もあったし、今週はもう会えないと思ってた。
酷い肌荒れの憂鬱もどこへやら、会いたい気持ちでいっぱい。
帰省する私は、彼と一緒に東京駅まで行っただけ。
帰省ラッシュなんて経験したことがないだろう彼は、
新幹線の切符売り場の混雑を不思議そうに眺めてた。
”昨日、妻に「あなた最近いいことがあったでしょ、顔に出てるわよ」って言われたよ”
彼、幸せそうな顔をしてるらしい。
それが、奥さんの前でっていうのが少し面白くないんだけど。
”大丈夫なの?”
”俺ね、新しいコンピュータ買ったときと、
仕事がうまくいってるときは幸せそうな顔してるらしいよ”
”仕事、うまくいってる?”
”うん。新しいプロジェクト始まるし、まぁまぁ気持ちは乗ってるよ”
最大の要因は私らしいけど。
それがバレたら、まずいんじゃない?
”気持ちはどうしようもないよ。問題は、行動”
気持ちだけでも、奥さんから見たらダメだと思う。
”あなたが不安な間は、いくらでも付き合う。
でも、お互いが、お互いの気持ちが特別だってことを理解できたら、
確認しあう行為は減らしていかないといけないと思ってる”
いっしょにいるときは、疑ってるつもりなんてない。
でも、私はもっとたくさんあなたとキスしたい。
私がいない間に、あなたの気持ちがさめてるんじゃないかと思う。
あなたの腕の中にいても、夢じゃないかと思う。
物理的に、法的に、あなたを縛ったとして
あなたの気持ちが変わることを防げるわけではないけれど。
”大丈夫だから、心配しないで”
心配そうな顔をしてたんだろうか。彼が言った。
環境が変わって1週間は、長いよ。
東京にいたら、感じないかもしれないけれど。
別れ際、何度もこっちを振り返って、手を振ってくれた。
一度別れた後は振り返らない、なんて見栄は、張らないんだね。
来てくれて、ありがとう。
口に出すと、不自然に響くけど、嬉しかった。
慌ててベッドから降りる。番号は…公衆電話。
この時代に公衆電話から、
こんな時間に電話してくるのは
彼しかいない。
慌てて電話をとったところで、電話は切れた。
がっかりして電話を眺めてたら、留守電が入ってた。
よく聞こえなくて、耳を押し当てる。3〜4回、聞きなおした。
”もしもし…”
彼の声だ。会社にいるけど、連絡つかなかったからまたねって。
連絡、する手段なんてない。
電話もメールも、お互いしないことになってるから。
例外は、彼が休日に会社に出たときの電話。
だから、迷った。
でも、会社なら、いいかな。
会社のメールアドレスに、起きたよってことだけ送った。
期待半分、諦め半分で朝食の用意してたら
しばらくしてから、彼から連絡があった。
お昼に会おうって。
一昨日の一件もあったし、今週はもう会えないと思ってた。
酷い肌荒れの憂鬱もどこへやら、会いたい気持ちでいっぱい。
帰省する私は、彼と一緒に東京駅まで行っただけ。
帰省ラッシュなんて経験したことがないだろう彼は、
新幹線の切符売り場の混雑を不思議そうに眺めてた。
”昨日、妻に「あなた最近いいことがあったでしょ、顔に出てるわよ」って言われたよ”
彼、幸せそうな顔をしてるらしい。
それが、奥さんの前でっていうのが少し面白くないんだけど。
”大丈夫なの?”
”俺ね、新しいコンピュータ買ったときと、
仕事がうまくいってるときは幸せそうな顔してるらしいよ”
”仕事、うまくいってる?”
”うん。新しいプロジェクト始まるし、まぁまぁ気持ちは乗ってるよ”
最大の要因は私らしいけど。
それがバレたら、まずいんじゃない?
”気持ちはどうしようもないよ。問題は、行動”
気持ちだけでも、奥さんから見たらダメだと思う。
”あなたが不安な間は、いくらでも付き合う。
でも、お互いが、お互いの気持ちが特別だってことを理解できたら、
確認しあう行為は減らしていかないといけないと思ってる”
いっしょにいるときは、疑ってるつもりなんてない。
でも、私はもっとたくさんあなたとキスしたい。
私がいない間に、あなたの気持ちがさめてるんじゃないかと思う。
あなたの腕の中にいても、夢じゃないかと思う。
物理的に、法的に、あなたを縛ったとして
あなたの気持ちが変わることを防げるわけではないけれど。
”大丈夫だから、心配しないで”
心配そうな顔をしてたんだろうか。彼が言った。
環境が変わって1週間は、長いよ。
東京にいたら、感じないかもしれないけれど。
別れ際、何度もこっちを振り返って、手を振ってくれた。
一度別れた後は振り返らない、なんて見栄は、張らないんだね。
来てくれて、ありがとう。
口に出すと、不自然に響くけど、嬉しかった。
彼は子供さんとお出かけ。彼氏は帰省。
私は昨日の疲れで1日寝ていた。
今日は、彼がいなかったから
彼氏と遊んでも良かったんだけどな。
彼氏は髪型を変えたらしい。
変えたって言うんだから、短くしただけではない、
ということだろうか。
最近、彼氏綺麗になったからな。
惚れ直すかもしれない。意外と。
私は昨日の疲れで1日寝ていた。
今日は、彼がいなかったから
彼氏と遊んでも良かったんだけどな。
彼氏は髪型を変えたらしい。
変えたって言うんだから、短くしただけではない、
ということだろうか。
最近、彼氏綺麗になったからな。
惚れ直すかもしれない。意外と。
明日からお休みだから、会社終わってから例によって飲みに行った。
彼が家的に飲み会のほうが言い訳しやすいせいか、
週1ペースで飲みに行っている気がする。
幹事さんは大変だな。
1次会から彼は私の正面にいてくれて、
たまに悪戯っぽい目でこちらを見ながら
私の足を踏んだり爪先でくすぐったりしてた。
途中で隣に移動してきた人から見えやしないか、心配だった。
少し後ろから覗いたら、きっと全部丸見えだから。
本当は1次会終わったところで帰りたかったけど、
他の人たちが2次会も行くって言い出したので
私も行くことにした。
”ほんとは、ふたりでいたいと思うんだけど、社交性も大事だし”
早く帰るつもりだったけど、2次会は終わる気配がなくて
帰りの電車の心配をしなきゃならなくなった。
電車があっても、彼といる時間はもうないだろうな、なんて思ったり。
11時半頃、彼が帰る?って訊いたから、私は帰ることにした。
不自然だけど、他の人を置いて、ふたりで店を出る。
何を思ったか来た方向とは逆向きに歩き出した彼は
まだ電車はあるのにタクシーを停めた。
シラフの声で私の家のある駅と経路を指示すると、
そのまま私の方を見て、何か言いたげに笑った。
石頭の私に軽く頭突きを食らわせて、遊ぶ彼に軽くキスする。
肩を抱かれて、彼に腕を回して、キスをして…止まらない。
タクシーが駅についたら、私だけ降りて
彼はそのまま帰っちゃうかもしれない。
だから、彼に触れていたかった。
”ここで降りる?”彼が小声で言った。
どこだかわからない。でも、彼が一緒にきてくれるなら。
つい数秒前まで息つく暇もないくらいキスしてた彼は、
何もなかったかのような声で車を停めた。
降りた場所の近くには、公園があった。
彼が、中を見渡す。男の人がひとり。
”カップルじゃないと、危ないから”
公園を通り過ぎようとして、出口で立ち止まる。
そのまま、正面に向き直って、彼が私にキスをした。
私も、彼にキスする。
彼が、私の背中に両手を回して私のことを抱いた。
こんなふうに立ってキスすることってあまりなかったから、
こうやって両腕で抱かれるのも始めてじゃないだろうか。
私の髪を指に絡めて、噛み付くようなキスをくれた。
舌を入れただけでは飽き足らないのか、顔を傾けて口蓋を弄る。
一息ついて、彼が私を抱きしめた。
熱を持った身体が触れる。少し乱れた息。
いつもより余裕なさげな彼が愛しくて抱き締め返したら、
私の耳に彼がキスした。そのまま耳許を彼の舌が這う。
腰の辺りまでくすぐったさが走って、思わず声が漏れた。
”愛してる”
身体の力が抜けた私を抱きとめて、
吐息に乗せて、独り言のように彼が言った。
そのまま抱き合って30分くらいキスしてただろうか。
公園の中にいた男の人が、面白くなさそうに出て行った。
私の手を引いた彼が適当にあしらう。
”逢えなくなっても、このままでいられる?
3ヶ月、半年、1年、それくらい逢えない日がくるかもしれない。
それでも気持ちは続く?”
即答できない私に彼が言った。
”例えあなたが、他の人といても、
ふたりの気持ちが終わっていなければ続けられるから。
俺はあなたの周りの人が誰もいなくなるまで待つよ”
穏やかな彼の語り口に引き寄せられるように、私も彼の肩を抱いた。
彼の頬に顔をよせて、空いた手で髪を梳く。
彼、私よりずっと年上なのに、なんか変な感じ。
彼はじっと目を閉じて私に寄りかかってた。
”気持ちいい…”
不意に彼が言った。
”16も年下なのに、優しさを感じるよ。”
大人になったあなたをこんな風に抱く人はいないかもしれない。
でも、子供の頃に抱かれた記憶は誰にも残ってるんじゃないだろうか。
毎日、朝から晩まで頑張ってて、あなたも疲れるでしょう?
少しでも、安らいでくれるなら。
見つめあっても、言葉にしても、足りない。
伝える手段がなくて困ってる私に彼が言った。
”あなたのキスには、愛を感じる。気持ちいいよ”
もっと、触れていたい。
”一週間分、見つめて…目を閉じないで…そう、止めないで”
舌を絡ませながら、至近距離で私を見つめる目が
潤んでいるように見えた。
いつもならかかってくるのに、奥さんから連絡がなかった。
”開き直ったのかもね”
彼が言う。
報復の機会を狙われてるのじゃなければいいけど…
彼が家的に飲み会のほうが言い訳しやすいせいか、
週1ペースで飲みに行っている気がする。
幹事さんは大変だな。
1次会から彼は私の正面にいてくれて、
たまに悪戯っぽい目でこちらを見ながら
私の足を踏んだり爪先でくすぐったりしてた。
途中で隣に移動してきた人から見えやしないか、心配だった。
少し後ろから覗いたら、きっと全部丸見えだから。
本当は1次会終わったところで帰りたかったけど、
他の人たちが2次会も行くって言い出したので
私も行くことにした。
”ほんとは、ふたりでいたいと思うんだけど、社交性も大事だし”
早く帰るつもりだったけど、2次会は終わる気配がなくて
帰りの電車の心配をしなきゃならなくなった。
電車があっても、彼といる時間はもうないだろうな、なんて思ったり。
11時半頃、彼が帰る?って訊いたから、私は帰ることにした。
不自然だけど、他の人を置いて、ふたりで店を出る。
何を思ったか来た方向とは逆向きに歩き出した彼は
まだ電車はあるのにタクシーを停めた。
シラフの声で私の家のある駅と経路を指示すると、
そのまま私の方を見て、何か言いたげに笑った。
石頭の私に軽く頭突きを食らわせて、遊ぶ彼に軽くキスする。
肩を抱かれて、彼に腕を回して、キスをして…止まらない。
タクシーが駅についたら、私だけ降りて
彼はそのまま帰っちゃうかもしれない。
だから、彼に触れていたかった。
”ここで降りる?”彼が小声で言った。
どこだかわからない。でも、彼が一緒にきてくれるなら。
つい数秒前まで息つく暇もないくらいキスしてた彼は、
何もなかったかのような声で車を停めた。
降りた場所の近くには、公園があった。
彼が、中を見渡す。男の人がひとり。
”カップルじゃないと、危ないから”
公園を通り過ぎようとして、出口で立ち止まる。
そのまま、正面に向き直って、彼が私にキスをした。
私も、彼にキスする。
彼が、私の背中に両手を回して私のことを抱いた。
こんなふうに立ってキスすることってあまりなかったから、
こうやって両腕で抱かれるのも始めてじゃないだろうか。
私の髪を指に絡めて、噛み付くようなキスをくれた。
舌を入れただけでは飽き足らないのか、顔を傾けて口蓋を弄る。
一息ついて、彼が私を抱きしめた。
熱を持った身体が触れる。少し乱れた息。
いつもより余裕なさげな彼が愛しくて抱き締め返したら、
私の耳に彼がキスした。そのまま耳許を彼の舌が這う。
腰の辺りまでくすぐったさが走って、思わず声が漏れた。
”愛してる”
身体の力が抜けた私を抱きとめて、
吐息に乗せて、独り言のように彼が言った。
そのまま抱き合って30分くらいキスしてただろうか。
公園の中にいた男の人が、面白くなさそうに出て行った。
私の手を引いた彼が適当にあしらう。
”逢えなくなっても、このままでいられる?
3ヶ月、半年、1年、それくらい逢えない日がくるかもしれない。
それでも気持ちは続く?”
即答できない私に彼が言った。
”例えあなたが、他の人といても、
ふたりの気持ちが終わっていなければ続けられるから。
俺はあなたの周りの人が誰もいなくなるまで待つよ”
穏やかな彼の語り口に引き寄せられるように、私も彼の肩を抱いた。
彼の頬に顔をよせて、空いた手で髪を梳く。
彼、私よりずっと年上なのに、なんか変な感じ。
彼はじっと目を閉じて私に寄りかかってた。
”気持ちいい…”
不意に彼が言った。
”16も年下なのに、優しさを感じるよ。”
大人になったあなたをこんな風に抱く人はいないかもしれない。
でも、子供の頃に抱かれた記憶は誰にも残ってるんじゃないだろうか。
毎日、朝から晩まで頑張ってて、あなたも疲れるでしょう?
少しでも、安らいでくれるなら。
見つめあっても、言葉にしても、足りない。
伝える手段がなくて困ってる私に彼が言った。
”あなたのキスには、愛を感じる。気持ちいいよ”
もっと、触れていたい。
”一週間分、見つめて…目を閉じないで…そう、止めないで”
舌を絡ませながら、至近距離で私を見つめる目が
潤んでいるように見えた。
いつもならかかってくるのに、奥さんから連絡がなかった。
”開き直ったのかもね”
彼が言う。
報復の機会を狙われてるのじゃなければいいけど…
彼の妻の誕生日だったから、彼は早々に家に帰って行った。
あの後、家で彼はどんなことしてたんだろう。
彼は、何も用意していないって言ってた。
花でも買って帰ろうか、なんて言いながら
そんなことすると疑われるな、なんて笑ってた。
彼の気持ちは知ってるつもり。
だからあまり嫉妬は感じないけれど、
彼と一緒にいられる彼の奥さんが、羨ましい。
誕生日だから、キスしたりするんだろうか。
愛してる、なんて言うんだろうか。
優しく抱きしめたりするんだろうか。
彼に言ったら、”夢を壊すようだけど…”なんて言いながら
笑って否定されそうだけど。
あの後、家で彼はどんなことしてたんだろう。
彼は、何も用意していないって言ってた。
花でも買って帰ろうか、なんて言いながら
そんなことすると疑われるな、なんて笑ってた。
彼の気持ちは知ってるつもり。
だからあまり嫉妬は感じないけれど、
彼と一緒にいられる彼の奥さんが、羨ましい。
誕生日だから、キスしたりするんだろうか。
愛してる、なんて言うんだろうか。
優しく抱きしめたりするんだろうか。
彼に言ったら、”夢を壊すようだけど…”なんて言いながら
笑って否定されそうだけど。
残業のない日だったので、彼と一緒に会社を出た。
今日仮に、みんなで飲みに行くことにしたら、来る?
それとも、ふたりきりがいい?
昼過ぎに私を休憩に呼んだ彼が訊いた。
明後日も、行くでしょう?だから今日はふたりきりがいいな。
みんなもつき合わせるの、悪いし。
”どこへ行く?”会社を出てから、彼が訊く。
咄嗟に思いつかない自分が恨めしい。
結局、彼の提案で恵比寿に行くことになった。
ふたりで、こんなふうにどこかに行くなんて、
ありえないと思ってた。
普通に、デートじゃない。コレ。
数週間前、会社の近くのレストランを見て彼が
一緒に来ようね、って言ったとき、
対面でテーブルに座って、ご飯なんか食べたら緊張で死ぬと思ってた。
それなのに、こんなに早くそれが実現してしまったらしい。
テーブルマナーもヘッタクレもない。
緊張でご飯食べるのがやっと。
ナイフを彼のほうに向けて置いてしまって、
彼に直されてしまった。
軽く食事をして、近くにあったホテルのバーに飲みに行った。
”こういうところは落ち着いていいよね”
…私はホテルのバーなんて
数えるほどしか来たことないし、
横には彼がいるしでそれなりに緊張してる。
昔、付き合ってた彼がお酒好きだったからバーこそ
行ったことはあるけど
それだってひとりで行こうって思えるほど慣れてるわけじゃない。
付き合い始めの頃に彼氏を連れて行ったこともあるけど、
今となってはありえないな。
お店を出るとき、彼が私の腰に腕を回してエスコートしてくれた。
さすがに、まだ彼氏にはできないな、これは。
この人、いつからこんなことしてるんだろう。
終電ギリギリまで、たくさんキスをして帰った。
今日が最後なんだろうかと思うくらい。
4月には彼は拒んでいたけれど、
私たちの距離はどんどん近くなってる。
昨日も、たくさんキスをした。今日はもっとたくさん。
会社ではとっても遠く感じる彼が、私の腕の中で目を閉じてる。
この前、友達に会った時に近況を聞かれたら、
幸せで笑いが止まらなかったよって言ったら、
彼がめちゃくちゃ喜んでた。
恒久的な幸せ、ってのは違うかもしれない。
でも、今現在楽しいって言う意味では、間違ってない。
今日仮に、みんなで飲みに行くことにしたら、来る?
それとも、ふたりきりがいい?
昼過ぎに私を休憩に呼んだ彼が訊いた。
明後日も、行くでしょう?だから今日はふたりきりがいいな。
みんなもつき合わせるの、悪いし。
”どこへ行く?”会社を出てから、彼が訊く。
咄嗟に思いつかない自分が恨めしい。
結局、彼の提案で恵比寿に行くことになった。
ふたりで、こんなふうにどこかに行くなんて、
ありえないと思ってた。
普通に、デートじゃない。コレ。
数週間前、会社の近くのレストランを見て彼が
一緒に来ようね、って言ったとき、
対面でテーブルに座って、ご飯なんか食べたら緊張で死ぬと思ってた。
それなのに、こんなに早くそれが実現してしまったらしい。
テーブルマナーもヘッタクレもない。
緊張でご飯食べるのがやっと。
ナイフを彼のほうに向けて置いてしまって、
彼に直されてしまった。
軽く食事をして、近くにあったホテルのバーに飲みに行った。
”こういうところは落ち着いていいよね”
…私はホテルのバーなんて
数えるほどしか来たことないし、
横には彼がいるしでそれなりに緊張してる。
昔、付き合ってた彼がお酒好きだったからバーこそ
行ったことはあるけど
それだってひとりで行こうって思えるほど慣れてるわけじゃない。
付き合い始めの頃に彼氏を連れて行ったこともあるけど、
今となってはありえないな。
お店を出るとき、彼が私の腰に腕を回してエスコートしてくれた。
さすがに、まだ彼氏にはできないな、これは。
この人、いつからこんなことしてるんだろう。
終電ギリギリまで、たくさんキスをして帰った。
今日が最後なんだろうかと思うくらい。
4月には彼は拒んでいたけれど、
私たちの距離はどんどん近くなってる。
昨日も、たくさんキスをした。今日はもっとたくさん。
会社ではとっても遠く感じる彼が、私の腕の中で目を閉じてる。
この前、友達に会った時に近況を聞かれたら、
幸せで笑いが止まらなかったよって言ったら、
彼がめちゃくちゃ喜んでた。
恒久的な幸せ、ってのは違うかもしれない。
でも、今現在楽しいって言う意味では、間違ってない。
彼がリーダーをしてたプロジェクトが完了して、
あと1ヶ月でそのプロジェクト関連の定例も
終わることになったらしい。
彼が携わったプロジェクトは大成功だったし、
関係する人たちの雰囲気もとっても良かった。
彼への感情は置いても、
あれだけ頼れるリーダーが引っ張るプロジェクトが
終わってしまうのは私にとっても寂しい。
それが寂しかったのかな、なんて言ってたけど、
彼は今日、早めに私を呼んで会社を出た。
”疲れたから、癒されたいなと思って”
どうしてあげれば、いいんだろう?
会社の外の川縁を一緒に歩いた。
公園に座って、話をした。
彼が昔付き合ってた女の子の話をしてくれた。
彼を育ててくれたって女の子の話も少し聞かせてもらえた。
今の彼があるのは、彼女のおかげだって彼が前に言ってた。
彼が、その女の子に教えてもらったことを聞いたけど、
彼が教わった内容をまとめて教えてもらっただけなので
それをどうやって彼が理解したのかはわからなかった。
困ってたら助けてあげるとか、優しくするとか、
そういう感情を教えてくれたのは彼女だと、彼は言った。
たぶん、その女の人と付き合った後で
出会ったのが今の奥さんなんだろう。
早く会社を出たのに、帰りはいつもと同じくらいの時間。
たっぷり2時間は外にいただろうか。
こんなことできるのは、夏だからこそ、だ。
あと1ヶ月でそのプロジェクト関連の定例も
終わることになったらしい。
彼が携わったプロジェクトは大成功だったし、
関係する人たちの雰囲気もとっても良かった。
彼への感情は置いても、
あれだけ頼れるリーダーが引っ張るプロジェクトが
終わってしまうのは私にとっても寂しい。
それが寂しかったのかな、なんて言ってたけど、
彼は今日、早めに私を呼んで会社を出た。
”疲れたから、癒されたいなと思って”
どうしてあげれば、いいんだろう?
会社の外の川縁を一緒に歩いた。
公園に座って、話をした。
彼が昔付き合ってた女の子の話をしてくれた。
彼を育ててくれたって女の子の話も少し聞かせてもらえた。
今の彼があるのは、彼女のおかげだって彼が前に言ってた。
彼が、その女の子に教えてもらったことを聞いたけど、
彼が教わった内容をまとめて教えてもらっただけなので
それをどうやって彼が理解したのかはわからなかった。
困ってたら助けてあげるとか、優しくするとか、
そういう感情を教えてくれたのは彼女だと、彼は言った。
たぶん、その女の人と付き合った後で
出会ったのが今の奥さんなんだろう。
早く会社を出たのに、帰りはいつもと同じくらいの時間。
たっぷり2時間は外にいただろうか。
こんなことできるのは、夏だからこそ、だ。