彼と一緒に帰った。
明日は彼は外出だから、今週一緒にいられるのは多分今日が最後。
退出時間を少し過ぎて、まだディスプレイに向かってる私に
彼が言った。
”帰らなきゃ”
立ち上がって、周りにいた人にも遅くならないでねって声をかける。
少し前から、彼は帰り支度をしてる感じがあった。
知らないフリしてたら、先帰っちゃうかなって思ったけど、
彼は結局私が帰るまで残っててくれた。
鞄を持った彼は、いつのまにかスーツを着てた。
コンタクトにラフな格好の彼はどちらかというと少年っぽいけど、
眼鏡とスーツのせいか今日は少し大人びて見える。
大人も何も、15歳も年上なんだけど。
昨日、コンタクト危ないですよって言っちゃったからかな?
お昼に、同じ部屋の年配の女性が彼の眼鏡姿を異常に喜んでた。
気持ち、わかるかも。彼女も、彼のことが好きみたいだし。
私が彼とこんな関係だって知ったら、怒るかなぁ…
部屋を出るところで彼と合流する。
エレベーターホールはいつもにも増して真っ暗で、
見えるのは彼のシルエットだけ。
”今日は、眼鏡だったんですね”
”うん、昨日あんなことがあったから。
何人かは俺だって気がつかなかったみたい”
明日は、どうするのかな。
やっぱり、心配だよ。今日も、調子悪かったのかな…
空のエレベーターがドアを開ける。
”君が、この時間までいてくれるのは嬉しいけど”
エレベーターが閉まってしばらくして、彼が口を開いた。
”仕事が進むから?”
ごめんね。遅れてて。仕事。
ちょっと困ったみたいに笑う彼。
ちょうど、エレベーターが止まって人が乗ってくる。
お願いだから邪魔しないで。少ない時間なんだから。
”今週、仕事終わらせようと思ったから…”
構わず、話しつづける。
”…体が、心配です”
彼が、返してくれた言葉。
その気持ち、ありがたく貰っておきます。
嬉しいって言ったその言葉が、嘘でないなら
それだけで私は嬉しい。
彼がいるときは、仕事が楽しい。
彼がいない日も、多分今までよりは楽しい。
また彼といられる日が来るかもしれないから。
彼に近づける気がするから。
邪な動機ではあるけど、あなたがいるから頑張れてる。
だから、このままでいさせてください。
明日は彼は外出だから、今週一緒にいられるのは多分今日が最後。
退出時間を少し過ぎて、まだディスプレイに向かってる私に
彼が言った。
”帰らなきゃ”
立ち上がって、周りにいた人にも遅くならないでねって声をかける。
少し前から、彼は帰り支度をしてる感じがあった。
知らないフリしてたら、先帰っちゃうかなって思ったけど、
彼は結局私が帰るまで残っててくれた。
鞄を持った彼は、いつのまにかスーツを着てた。
コンタクトにラフな格好の彼はどちらかというと少年っぽいけど、
眼鏡とスーツのせいか今日は少し大人びて見える。
大人も何も、15歳も年上なんだけど。
昨日、コンタクト危ないですよって言っちゃったからかな?
お昼に、同じ部屋の年配の女性が彼の眼鏡姿を異常に喜んでた。
気持ち、わかるかも。彼女も、彼のことが好きみたいだし。
私が彼とこんな関係だって知ったら、怒るかなぁ…
部屋を出るところで彼と合流する。
エレベーターホールはいつもにも増して真っ暗で、
見えるのは彼のシルエットだけ。
”今日は、眼鏡だったんですね”
”うん、昨日あんなことがあったから。
何人かは俺だって気がつかなかったみたい”
明日は、どうするのかな。
やっぱり、心配だよ。今日も、調子悪かったのかな…
空のエレベーターがドアを開ける。
”君が、この時間までいてくれるのは嬉しいけど”
エレベーターが閉まってしばらくして、彼が口を開いた。
”仕事が進むから?”
ごめんね。遅れてて。仕事。
ちょっと困ったみたいに笑う彼。
ちょうど、エレベーターが止まって人が乗ってくる。
お願いだから邪魔しないで。少ない時間なんだから。
”今週、仕事終わらせようと思ったから…”
構わず、話しつづける。
”…体が、心配です”
彼が、返してくれた言葉。
その気持ち、ありがたく貰っておきます。
嬉しいって言ったその言葉が、嘘でないなら
それだけで私は嬉しい。
彼がいるときは、仕事が楽しい。
彼がいない日も、多分今までよりは楽しい。
また彼といられる日が来るかもしれないから。
彼に近づける気がするから。
邪な動機ではあるけど、あなたがいるから頑張れてる。
だから、このままでいさせてください。
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